ごあいさつ

株式会社 安部 

代表取締役 安部知明

家族の健康は朝食に始まる食卓からといいます。


現在の食事は忙しい私たちにかわりセントラルキッチンや専門工場での完璧に安全で安心に制作された製品食品が私達の味覚を満足させています。

さらに、そのような製品食料は成分分析も進化しており、塩分コントロールやカロリーコントロールまで消費者は健康管理が簡単にできるようになってまいりました。

また固形食品・流動食品・栄養剤にいたるまで私たちの体調や状況に応じて潜在的な要求を満たしてくれる食糧がたくさんあります。
おいしさも手作り感があるものも増えてきて、家族の味そのものがかわりつつあります。

日本人の朝ごはんは、ごはんにお味噌汁。。


それさえも、大手ファーストフードチェーンが朝食をビジネスチャンスととらえて企業努力を惜しみません。

品質は完璧です、家庭の朝食に比べても見劣りはありません。

同様に私たち食品メーカーの一端としても、日夜お客様に満足いただける製品を生産する努力は惜しみません。


しかしながら、そんな私たちが本当に目指している食のおいしさの要素の中には、絶対に私たちや食品メーカー大手であっても生産できないものがあります。

それは、愛情です。

それはつまり、、

朝起きた時に、食卓に食事を並べる家族の思いやりや、それを心で食べる家族がいる。

お昼にお弁当を開ける楽しみ、それをつくる楽しみ。。

今日の晩御飯は何なのかと心待ちに帰る帰路。。

これは私たちには絶対生産のできない、愛情という心が織りなすおいしさです。


おいしさは愛情といいますが、私たち企業は利益をいただく以上有償提供です。


愛情は無償、無期限、無制限、無条件が条件です。

家族に損益はありません。

見返りを求めない無量の心です。

私たちの目指す、食のおいしさのかたちは実はとほうもないテーマに茫然とさえする規模を露呈します。

そんな中、私たちは佃煮を生産します。

もともと佃煮や煮干しというのは、

戦乱のいくさの世の中では兵糧や保存食として定着してきた製品であります。

長期間保存が可能で、効率よく栄養を補給し、調理時間や設備の不要なもの。。

また近代では、地方への貴重なタンパク源として、重宝されてまいりました。

現代近年はスーパーの隅へ追いやられ、マーケットは縮小傾向にあります。

しかしながら、現代は夫婦共働きしないと生活していけない現実を私たちは知っています。

本当に限られた時間の中で、育児や食事や健康という愛情を家族に注いでいるの私たちは知っています

その努力を無量の愛情を以て、必死でがんばるお母さんやお父さんがいるのも私たちは知っています。

その結果、その戦いに敗れて倒れていくお母さんやお父さんがいることを私たちは知っています。

統計では、具体的に10人に1人がこの社会の犠牲になっている現実を私たちは知っています。

そんな中で、佃煮や煮干しが必然的に生まれた時代と私たちは重ね合わせています。

どこまで私たちが、すべての人々が、そのおいしさを味わうことができるのか、すべての人々の足元にある
「本当のおいしさ」を発見してもらえるだろうか、また私たちは見つけられるだろうか。

お客様においしさや健康を効率良く提案する時代はもう過渡期を過ぎ衰退期に入っています。

一人一人の家族を基本とする、その家庭の食卓が健康的な愛情に恵まれるのか?

それを願いつつ私たちはそれを理念に努力しております。